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そもそも「コミュニティガーデン」って何?

◆地域住民主体の自主的活動

 コミュニティガーデンはわかりやすく直訳すると「地域の庭」になりますが、一般の公園とは大きな違いがあります。それは、企画・設置・運営主体が行政ではなく、地域の住民であることです。初期の段階で多少行政の支援を受けることはあっても、場所の選定から、その後の企画・運営まで、すべて住民が自主的に責任をもって行います。


◆行政と市民との協働関係を

 今宿コミュニティガーデンも、きっかけは行政がつくりましたが、市の遊休地のうちのひとつを選び、それをコミュニティガーデンにすることは、まちづくりに関心を寄せる市民有志が決めました。そして、区民提案型活動支援事業を申請し認定を受け、当初、運営資金の一部補助を受けていましたが、その後の運営に関しては、行政は一切口出しせず、その意味では、理想的な行政と市民の協働関係が築けていると感じています。なお、いまでは、補助金はいただかず、会費と自主事業で、すべてをまかなっています。


◆コミュニティガーデン10の魅力
 
 コミュニティガーデンには、多くの機能・役割と魅力があります。これを、2002年に発行された越川秀治さんの著書コミュニティガーデン―市民が進める緑のまちづくり (学芸出版社)からご紹介しましょう。

 なお、他にコミュニティガーデンに関する本としては、越川さんも参加して「コミュニティガーデンのすすめ―花と緑のまちづくりガイド 」が2005年に出版されています。

1.人々の心を癒し潤いを与えてくれる
  誰もが利用できる「都会の中の緑のオアシス」の機能があります。

2.出会いと会話の機会を生み出してくれる
  さまざまな人が様々な目的をもって集う「たまり場」になります。

3.近隣の景観・美観を向上させる
  新鮮な空気や緑陰を生み出し土地の資産価値も向上します。

4.多くの人に学びの大切さを教えてくれる
  社会的弱者には職業訓練、高齢者には庭づくりによる生きがい、
  子どもには自然・環境学習の機会となり、まさに「緑の学校」です。

5.地球環境や都市環境に貢献してくれる
  生態系の維持保全・都市の温暖化軽減・コンポストによる循環型
  社会の形成など、その社会的役割には大きなものがあります。

6.暮らしの豊かさを提供してくれる
  みずから花や野菜を育てることで、育てる楽しみ・収穫する楽しみ
  ・食べる楽しみを暮らしのなかで体験できます。

7.人々に地域愛を呼び起こしてくれる
  共有の庭づくりを通じて、地域への思いやりや街への誇りが醸成
  されます。

8.最小経費で最大利益を生み出してくれる
  ボランティアによるヒトと、その労働による生産物としての植物・
  野菜・土壌・肥料、そして寄付されるモノなどにより、地域社会に
  大きな社会的利益をもたらします。

9.防災拠点や生存の場としての役割をもっている
  災害時には、避難所としてだけではなく、近隣の助け合いを
  支援する情報交流の拠点にもなりうるのです。

10.緑のまちづくりへと発展する可能性を秘めている
  単なるひとつの地域の庭から、より広い地域へと広がれば、
  誰もが参加できる緑のまちづくりへと発展していきます。


 このように、コミュニティガーデンには、極めて多様な機能・役割と魅力があり、私たちとしても、今宿での試みにとどまらず、全国各地に広がっていってほしいと願っています。


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